第9回日本がんサポーティブケア学会学術集会(The 9th Annual Meeting of the Japanese Association of Supportive Care in Cancer (JASCC) )

第9回日本がんサポーティブケア学会学術集会(The 9th Annual Meeting of the Japanese Association of Supportive Care in Cancer (JASCC) )

日程表・プログラム

更新日:2024年5月16日

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学生・若手の方にお勧めのプログラム

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患者・当事者の方にお勧めのプログラム

P優先

  

患者・当事者参加の方が優先して着席できます(開始前まで)

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英語セッション

開会式・会長講演

5月18日(土) 9:05~9:35 第1会場

私たちの 夢をかなえる がん支持医療  

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座長
  • 宇和川 匡
  • (東京慈恵会医科大学 腫瘍センター)
演者
  • 渡邊 清高
  • (帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科)

会長企画(特別企画)

5月18日(土) 15:00~16:20 第1会場

Up to date in Korean & Japanese supportive care for nutrition & cachexia in cancer patients  

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このセッションは、日本と韓国のがん支持医療の専門家が、がん患者の栄養管理と悪液質対策における支持医療に焦点を当て、最新の研究成果と臨床経験を共有することを目的としています。特に、韓国の支持療法学会(KASCC)との国際交流を通じて、相互の課題と進歩を深く理解し、実践に役立てる知識を得ることが期待されます。セッションでは、進行がん患者の評価方法、看護の役割、化学療法中の悪液質管理など、具体的なテーマについて日韓の専門家が発表します。この貴重な機会を通じて、がん患者の生活の質を向上させるための支持医療の進化に貢献することを目指しています。

This session aims to focus on nutrition management and cachexia care in cancer supportive care, sharing the latest research findings and clinical experiences between Japanese and South Korean experts. The main objective is to facilitate international exchange with the Korean Academy of Supportive Care in Cancer (KASCC), enhance mutual understanding of challenges and advances, and enrich practical knowledge for application in clinical settings. The session will feature presentations by experts from both countries on topics such as the assessment of advanced cancer patients, the role of nursing, and the management of cachexia during chemotherapy. Through this valuable opportunity, we aim to contribute to the advancement of supportive care and improve the quality of life for cancer patients.

Chairs
  • Koichi Takayama
  • (Kyoto Prefectural University of Medicine, Japan)
  • Hei-Cheul Jeung
  • (Yonsei University, Korea)
Speakers
  • Koji Amano
  • (Department of Supportive and Palliative Care, Osaka International Cancer Institute, Japan)
  • Rika Sato
  • (Shizuoka Cancer Center, Japan/Graduate School of Nursing Science, St. Luke’s International University, Japan)
  • Se-Il Go
  • (KASCC/Associate Professor, Gyeongsang National University Changwon Hospital, Korea)
  • Minkyu Jung
  • (Professor, Division of Medical Oncology, Department of Internal Medicine, Yonsei University College of Medicine, Korea/ Chief, Palliative Care Center, Yonsei Cancer Center, Yonsei University Health System, Korea)

5月18日(土) 9:40~11:10 第6会場

AYA研・JASCC合同企画「みんなでがん教育に取り組もう!」  

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がん教育は、がん対策基本法やがん対策推進基本計画に明記され、小中高等学校で実施することが学習指導要領で規定されている。がん専門医やがん経験者などの「外部講師」の活用が推奨されているが、全国の小中高等学校で外部講師を活用できている学校は11.4%にとどまっている。この数字は地域によってばらつきがあり、自治体や教育委員会ごとに、がん教育への取り組みには温度差があることがうかがわれる。
がん専門医からは、「ぜひやりたいと思っているが、なかなか声がかからない」という意見を聞くことも多く、外部講師を求めている学校と、がん教育に興味を持っている外部講師候補者とをマッチングする仕組みの構築が必要と考えられる。日本臨床腫瘍学会では、がん薬物療法専門医を外部講師候補者として、マッチングする仕組みの構築に向けて、がん教育ワーキンググループを設置して取り組むことにしているが、検討すべき課題も多い。
がん教育としてどのようなことを伝えるべきなのか、授業はどのように進めるのがよいか、注意すべきことは何か、外部講師の質の担保をどのようにするか、学校からの需要が増えたときに対応しきれるのか、外部講師が学校を訪れる以外の方法はどうか、といった課題について議論が必要である。
また、がん教育が必要なのは、子供たちだけではなく、大人へのがん教育、社会全体へのがん教育の需要もある。がん対策推進企業アクションでの企業向け講演や、市民向けの啓発活動なども重要で、「学校だけじゃないがん教育」について具体的な議論をしていく必要がある。
本企画では、学校でのがん教育の実際について、がん経験者の岸田徹さん、がん薬物療法専門医の谷山智子さんからお話ししていただき、学校だけじゃないがん教育として、AYA weekでの取り組みを、AYA week 2024教育チームからお話しいただく。また、上記にあげた課題について総合討論を行う予定である。本企画を通じて、「みんなでがん教育」の文化を醸成していければ、と願っている。

座長
  • 楠木 重範
  • (遊育園こどもクリニック)
  • 高野 利実
  • (がん研究会有明病院)
演者
  • 岸田 徹
  • (NPO法人がんノート)
  • 谷山 智子
  • (国立国際医療研究センター がん総合診療センター サバイバーシップ支援科)
  • 宗 皓
  • (医療法人財団はるたか会訪問看護ステーションあおぞら京都)
  • 梶 文祥
  • (メイプル薬局)
  • 竹内 愛莉
  • (聖マリアンナ医科大学)
  • 田中 芙美
  • (fLy)
  • 楠木 重範
  • (遊育園こどもクリニック)
  • 高野 利実
  • (がん研究会有明病院)

会長提案企画

5月18日(土) 11:20~12:30 第3会場

メディアドクター in がんサポーティブケア学会:がん研究の成果をどう発信するか  

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がん領域の研究成果を、適切かつ効果的に発信することは、患者・市民にがん支持医療についての正しい理解と、安全で安心ながん医療・ケアを届けることにつながる。がん研究の成果発信の取り組み、研究成果を分かりやすく国民に届けることで患者・市民参画につなげる動き、科学的根拠の視点で情報の信頼性や留意点について、情報を吟味することでより良い情報発信を目指す取り組みなどを共有し、医療・研究・メディア・司書・情報やコミュニケーションの専門家が、研究成果の発信と対話のあり方について議論したい。

座長
  • 佐藤 正惠
  • (千葉県済生会習志野病院)
  • 大野 智
  • (島根大学医学部附属病院 臨床研究センター)
演者
  • 北澤 京子
  • (京都薬科大学 非常勤講師)
  • 勝井 恵子
  • (国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED))
  • 丸山 大
  • (がん研究会有明病院 血液腫瘍科)
  • 前村 聡
  • (日本経済新聞社)

5月18日(土) 17:20~18:30 第4会場

がん研究の情報発信はどうあるべきか(メディアドクター研究会との協働企画)  

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がん治療と支持医療分野の進歩は目覚ましく、日々多くの成果が発信されています。一方で、さまざまな情報が飛び交い、中には有害なものや不適切な情報も含まれています。医療や健康に関する情報は、私たちの予防や治療などの行動の指針となり、生命や生活と質(QOL)にも関わる大切なものです。このセッションでは、患者さん・当事者・市民の視点で必要ながん研究の発信について、予防・検診・診断・治療のトピックなど具体的な事例を交えて理解を深めます。情報の探し方、見極め方、伝え方についてともに考えていきます。

座長
  • 大野 智
  • (島根大学医学部附属病院 臨床研究センター)
  • 岸田 徹
  • (NPO法人がんノート)
演者
  • 佐藤 正惠
  • (千葉県済生会習志野病院 図書室)
  • 北澤 京子
  • (京都薬科大学 非常勤講師)
  • 岸田 徹
  • (NPO法人がんノート)
  • 石木 寛人
  • (国立がん研究センター中央病院)

5月18日(土) 16:50~18:00 第6会場

JASCC版「地域の患者さん支援のための情報づくりと普及プランを考える研修会」  

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「誰一人取り残さないがん対策」の実現に向けて、患者さんやご家族、支援者が地域で活用できる医療や療養資源に関する情報や相談先に関する情報を入手し、ニーズに応じた支援を受けることは重要である。国および都道府県では、情報提供と相談支援の推進、社会連携の強化により、がん医療やケアのさまざまなプロセスにおいて、必要とする支援やケアにつながる取り組みを進めている。質の高いがん医療やサバイバーシップケアの実現に受けて、有用な情報をまとめ活用している先行事例を知ることによって、住み慣れた地域において安心して暮らすことのできる情報づくりと普及、患者さん支援に必要な取り組みのイメージを共有したい。

座長
  • 増田 昌人
  • (琉球大学病院 がんセンター)
  • 轟 浩美
  • (認定NPO法人 希望の会)
演者
  • 木川 幸一
  • (北海道がんセンター がん相談支援センター)
  • 増田 昌人
  • (琉球大学病院 がんセンター)
  • 松本 陽子
  • (NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会)

5月19日(日) 14:10~15:30 第1会場

がん・感染症・災害におけるリスクコミュニケーション  

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がん治療、そしてその後のプロセスにおいてさまざまなリスクへの対応が求められる。がんそのもの、治療に伴う副作用や有害事象、晩期合併症、心理的・経済的負担など多様なリスクに対して、適切に評価し、つらい症状の軽減や解消につなげていく第一歩は「対話」である。がん支持医療の実践プロセスにおけるリスクコミュニケーションのあり方について、新型コロナウイルス感染症や原子力災害に関する事例から学び、課題と改善策、コミュニケーションスキルの向上に向けた必要な取り組みについて議論したい。

座長
  • 渡邊 清高
  • (帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科)
  • 山本 信之
  • (和歌山県立医科大学 呼吸器内科・腫瘍内科)
演者
  • 渡邊 清高
  • (帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科)
  • 忽那 賢志
  • (大阪大学大学院医学系研究科 感染制御学)
  • 安村 誠司
  • (福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センター)
  • 石川 ひろの
  • (帝京大学大学院 公衆衛生学研究科)

5月19日(日) 13:00~14:00 第6会場

交流会企画:若手・学生と語る将来のがん医療とサポーティブケア  

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若手・学生中心の企画として、将来の医療・ケアを担う若手・学生にがんの医療、がんの支持医療はどのように映っているか、忌憚のない意見交換をして、キャリアパスとしての期待と課題について議論する。

座長
  • 西森 久和
  • (広島市民病院 血液内科)
  • 西堀 雄一朗
  • (大阪市立総合医療センター)
パネリスト
  • 池田 香菜子
  • (大阪大学医学部附属病院 看護部)
  • 星谷 斉
  • (帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科)
  • 澤田 晋介
  • (富山大学医学部)
  • 小笠原 真歩
  • (聖路加国際病院)
  • 西堀 雄一朗
  • (大阪市立総合医療センター)

JASCC & MASCC Joint Symposium

5月18日(土) 9:40~11:10 第2会場

CINV update  

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昨年、日本癌治療学会でも国際がんサポーティブケア学会(MASCC)でも、CINVの制吐剤適正使用のガイドラインの改訂が行われました。今回は、タイミングとしてそれらの改訂の中で知っておくべきことを確認するという機会になればと思い、企画いたしました。MASCCの次期理事長であり、今年のMASCCの主催国フランスでCINVの研究のリーダーである腫瘍内科医Florian Scotté先生には、MASCCのガイドライン改訂事項のオーバービューを、日本発で婦人科医の安部正和先生と共にオランザピンの新しいエビデンスを築いたJ-FORCEの橋本浩伸先生とMASCCのガイドライン作成委員でもある飯原大稔先生、日本癌治療学会の制吐剤適正使用ガイドラインの改訂に携わったお二人の薬剤師の先生方には、日本初のエビデンスを中心に、国内外のガイドライン改訂に影響を与えた(あるいは、与えるであろう)臨床試験とその結果をご紹介いただきます。CINVへのガイドラインに基づいた対処法やその根拠になったエビデンスは、支持医療を行う医療従事者が全員心得ていてほしい基本的知識の一部です。極めて重要事項と考えます。英語での発表となりますが、もう一人の座長であるスイスの腫瘍内科医のMaati Aapro先生を含め、全員が英語を母国語としない国で仕事をされています。わかりやすい英語でお話いただく予定です。皆さま奮ってご参加くださいますよう、お誘い申し上げます。
MASCC and JSMO(Japanese society of medical oncology) antiemetic guidelines have been updated recently. Therefore, we have decided to pick up the current evidences regarding CINV(chemotherapy induced nausea and vomiting) as one of the themes of JASCC 2024, as it must be the best timing to introduce the newly developed CINV guidelines. The 1st speaker is Dr. Florian Scotté who is going to be the next MASCC president involved with CINV studies in France as a medical oncologist. He will talk about the updated MASCC guidelines. The 2nd and 3rd speakers are Japanese outstanding pharmacist researchers contributed to the development of JSMO CINV guidelines. Dr. Hironobu Hashimoto who is famous for J-FORCE as a PI with Dr. Masakazu Abe, and Dr. Hirotoshi Iihara who is a member of MASCC CINV guideline committee. They will present JSMO guidelines and introduce the newly published papers giving an influence on the current guidelines including their original ones. Dr. Matti Aapro who has been an advisor from MASCC since the establishment of JASCC and I will chair this session.

Chair
  • Mitsue Saito
  • (Juntendo University, Japan)
Speakers
  • Florian Scotté
  • (MDPhD Medical Oncologist Head Patient Pathway Division, Gustave Roussy, Villejuif, France)
  • Hironobu Hashimoto
  • (National Cancer Center Hospital, Japan)
  • Hirotoshi Iihara
  • (Gifu University Hospital, Japan)
Commentators
  • Matti S. Aapro
  • (President SPCC, Genolier Cancer Center Genolier, Switzerland)
  • Mitsue Saito
  • (Juntendo University, Japan)

PPI(患者・市民参画)セッション

5月18日(土) 17:50~19:00 第1会場

患者・市民参画 (PPI)によるがんサポーティブケア臨床研究に挑戦する  

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医学研究・臨床試験等における患者・市民参画(PPI;Patient and Public Involvement)が推進されるようになってきた。特に薬物療法については、医療者による評価よりも患者自身による評価(Patient reported outcome)の重要とされている。がんサポーティブケアは対象となる患者が医療の中心とされているが、これからさらに発展するためには患者や市民の視点、参画が重要な鍵を握ると考えられる。本シンポジウムではがんサポーティブケアにおけるPPI実現に向けて討議していただきたい。

座長
  • 桜井 なおみ
  • (一般社団法人CSRプロジェクト)
  • 太良 哲彦
  • (相良病院 腫瘍内科・緩和ケア科)
演者
  • 天野 慎介
  • (一般社団法人全国がん患者団体連合会)
  • 渡邊 知映
  • (昭和大学保健医療学部)
  • 明智 龍男
  • (名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野)
  • 片岡 明美
  • (がん研究会有明病院 乳腺センター 乳腺外科)

5月18日(土) 15:00~16:00 第3会場

自宅で実施できる運動プログラムの体験―運動で夢をかなえる―  

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 がんサバイバーが運動を実施することは、体力の維持、向上のみならず、副作用や後遺症改善にも役立つ。しかし、がん体験者にどのような運動をすれば良いか、そもそも運動をしたほうがいいのか、などの情報や自分自身で実施可能な運動プログラムを提供できているとはいえない。本セッションでは、Exercise Oncology ワーキンググループメンバーが中心となり、運動がもたらす効果を共有し、実際に自分自身で実施可能な運動プログラムの一つを参加者全員で体験する。
 はじめに運動・身体活動の重要性とその効果について概説し、その後実際の運動プログラムを紹介する。参加者全員で運動を実施したあと、がん体験者が取り組んでいるコミュニティエクササイズの紹介を基点に運動の必要性について議論する。

座長
  • 田沼 明
  • (順天堂大学医学部附属静岡病院 リハビリテーション科)
演者
  • 田沼 明
  • (順天堂大学医学部附属静岡病院 リハビリテーション科)
  • 越智 英輔
  • (法政大学大学院 スポーツ健康学研究科)
  • 街 勝憲
  • (法政大学 スポーツ研究センター)
  • 石山 美行
  • (一般社団法人まめっつ)

Symposium

5月19日(日) 10:40~12:10 第2会場

Clinical practice guidelines/practical guides for traditional medicine in cancer supportive care: Comparison between Japan and Korea  

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 がんサポーティブケアの対象になる症状の中でも難治性の食欲不振と疲労感に対して、伝統医学的アプローチが注目されている。近年伝統医学の臨床的エビデンスが少しずつ出ており、それに基づく診療ガイドラインやガイドが発表されている。日本では一元的医療制度の下で、医師が西洋医学的診断・治療をしながら保険診療で漢方を処方できる。ただ漢方の診療ガイドラインを発表することには慎重な姿勢であったが、2020年に診療に役立つように「がんサポーティブケアのための漢方活用ガイド」を日本がんサポーティブケア学会の「JASCCがん支持医療ガイドシリーズ」の一環として発刊した。一方、韓国では西洋医学と韓医学の二元的医療制度になっており、韓医薬(韓方)処方の保険適用は一部に限られ、韓医師しか処方できない。しかし、韓国ではさまざまな臨床分野で韓医学の診療ガイドラインを積極的に作成しており、がんサポーティブケアの領域においてもすでに診療ガイドラインを作成している。本シンポジウムでは食欲不振と疲労感に対する診療ガイドライン・ガイド作成の現状について日韓双方から紹介して頂く。

 Among the symptoms covered by cancer supportive care, traditional medicine approaches are attracting attention for intractable anorexia and fatigue. In recent years, clinical evidence of traditional medicine has been gradually emerging, and clinical practice guidelines and guides based on it have been published. In Japan, under the unitary medical care system, doctors can prescribe Kampo with medical insurance coverage while diagnosing and treating with Western medicine. Although Japan was cautious about announcing the clinical practice guidelines for Kampo, in 2020 Kampo Study Group of Japanese Association of Supportive Care in Cancer (JASCC) published the "Practical Guide to Kampo Medicine for Cancer Supportive Care" as part of the "JASCC Cancer Supportive Care Guide Series" in order to help clinicians use Kampo. On the other hand, in Korea, there is a dual medical system of Western medicine and Korean medicine, and insurance coverage for Korean medicine formulations is limited, and only Korean medicine doctors can prescribe traditional formulas. However, in Korea, Korean medicine doctors have actively developed clinical practice guidelines for Korean medicine in various clinical fields, including cancer supportive care. In this symposium, we will introduce the current status of the development of clinical practice guidelines or practical guides of traditional medicine for anorexia and fatigue in patients with cancer from both Japan and Korea.

Chairs
  • Yoshiharu Motoo
  • (Department of Internal Medicine, Fukui Saiseikai Hospital, Japan)
  • Seong Woo Yoon
  • (Department of Korean Internal Medicine, Kyung Hee University Hospital, Gangdong, Korea)
Speakers
  • Tateaki Naito
  • (Department of Respiratory Medicine, Shizuoka Cancer Center, Japan)
  • Hwa-Seung Yoo
  • (East West Cancer Center of Seoul Korean Medicine Hospital, Daejeon University, Korea)
  • Yoshiharu Motoo
  • (Department of Internal Medicine, Fukui Saiseikai Hospital, Japan)
  • Seong Woo Yoon
  • (Department of Korean Internal Medicine, Kyung Hee University Hospital, Gangdong, Korea)

第56回日本医学教育学会大会(#JSME56)コラボ企画

5月19日(日) 11:10~12:30 第5会場

サバイバーシップケアを支える医療者教育のこれから  

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医療者の生涯教育のあり方を考える企画として、将来の医療・ケアの担い手をどのように育成し、学びを継続していく機会を提供していくか。卒前・卒後・生涯教育の現状と課題、可能性を議論したい。医療関連職種に加え、介護や福祉職、患者・当事者、ピアとの協業など、慢性疾患のサバイバーシップを支える関連の人材が、どのように地域で、現場で連携しキャリアを形成していくか、具体的な取り組みやモデルを参考に議論したい。

座長
  • 渡邊 清高
  • (帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科)
  • 齊藤 光江
  • (順天堂大学医学部 乳腺腫瘍学)
演者
  • 渡邊 清高
  • (帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科)
  • 髙田 真二
  • (帝京大学医学部麻酔科学講座)
  • 大久保 由美子
  • (帝京大学医学部医学教育学講座/帝京大学医学部医学教育センター/帝京大学女性医師・研究者支援センター)
  • 徳留 雄太
  • (帝京大学薬学部 薬剤師生涯教育学講座/慈生会 等潤病院)

発熱性好中球減少症(FN)診療ガイドライン改訂第3版のポイント

5月19日(日) 11:50~12:50 第1会場

【目的】
発熱性好中球減少症(FN)診療ガイドライン改訂第3版のポイントを第2版からの変更点を中心に解説する。
【到達目標】
がん患者に共通する有害事象であるFNの最新情報を得て、適切な診療が可能となり、Antimicrobial Resistance(AMR)対策への貢献も目指す。
【概要】
発熱性好中球減少症(FN)診療ガイドライン改訂第3版の治療アルゴリズムを紹介し、第2版からの変更点を中心に解説する。参考として2020年に実施した第2版のCQに対する遵守状況のアンケート結果も提示する。
①外来治療の対象となるFN患者を識別するためのリスク評価の新提案(CQ1)
第2版ではリスク分類として、MASCCスコアによる評価が導入された。同スコアは国際的にも多く使用されているが、前述のアンケートで日本ではこの遵守率が高くないことが示されたため、第3版では低リスク患者を選別するためのアルゴリズムをより詳細に設定した。まず「疾患・がん薬物療法によるリスク評価」で高リスク患者を除外し、該当しない患者は「身体的リスク評価(MASCCスコアを含む6項目)」や「心理・社会的リスク評価(8項目)」についてそれぞれ検討し、FNリスクを分類することとした。
②初期治療で解熱したが好中球減少が持続する場合の抗菌薬のdiscontinuationの考え方(CQ6)
第2版では「初期治療で解熱したが好中球減少が持続する場合、抗菌薬の変更・中止は可能か?」に対し、「入院中で経過観察が可能であれば、経口薬への変更もしくは中止が可能である」を推奨したが(強さは2)、エビデンスレベルはDであった。これはAMR対策に貢献できるが、前述のアンケート調査では完全遵守率は22%と低く、部分遵守を合わせても69%であった。第3版では新知見としてECIL-4の提唱に従い、早期に抗菌薬投与を中止した群(発熱の感染病巣や原因菌が不明の場合、少なくとも48時間解熱が持続し、72時間以上患者の全身状態が安定していればempiricに開始された抗菌薬を中止)と、従来の好中球数回復を待って中止した群が比較された。結果は血液培養陽性例が早期抗菌薬中止群で多かったものの、重症度に差はなく、感染症関連死は早期抗菌薬中止群で低下、抗菌薬総投与日数も有意に減少し、FNにおいて早期の抗菌薬中止は有効かつ安全であることが示された。同様の報告が他にも見られ、エビデンスレベルはBとなった。
③初期治療開始後もFNが持続し全身状態が不安定な場合の二次治療(CQ8、CQ9)
初期治療が奏効しない場合の対策はエビデンスが乏しいが、リアルワールドの診療では最も悩むことが多い。第3版ではあえてこの困難な分野について細菌感染対策として、より広範なβ-ラクタム薬への変更、多剤耐性グラム陰性桿菌対策、カテーテル関連感染などのグラム陽性球菌対策、β-ラクタム薬の長時間投与の4つを推奨した。真菌感染対策としては抗真菌薬のempiric therapyとpre-emptive therapyの選択を中心に取り上げた。

座長
  • 吉田 稔
  • (帝京大学医学部附属溝口病院 第4内科)
  • 木村 俊一
  • (自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科)
演者
  • 秋山 暢
  • (さがみひまわりクリニック)
  • 吉田 稔
  • (帝京大学医学部附属溝口病院 第4内科)
  • 冲中 敬二
  • (国立がん研究センター東病院 感染症科/国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科)

ワーキンググループ企画

5月18日(土) 11:20~12:30 第1会場

患者の視点で考える 在宅医療の質の向上を目指した薬を取り巻く多職種の関わり  

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 がん治療と支持医療の進歩に伴い、通院でがん薬物療法を実施することが増えてきている。日常生活を継続しながら、あるいは働きながら治療を継続できるという良い面もあるが、副作用や不安などの心理面のフォローが十分でないこともある。こうしたなか、治療中の患者さんへの薬剤師の関わりがさまざまな場面で想定される。また、通院の継続や在宅移行など、病院・診療所・院内薬局・調剤薬局の関連職種が情報共有した上で支援する場面が一般的になってきた。本セッションでは、治療導入時、通院中、在宅移行を見据えた状況など事例も交えながら、患者さんの想いに寄り添った、薬を取り巻く多職種の関わりについて議論したい。
 主な論点としては、通院中の患者さんとの多職種の関りについて、薬局薬剤師の立場から実際にどのようなことを行い、患者さんにどのようなメリットがあったか、一方で、実際に行う際の問題点なども議論したい。
 また、在宅患者さんのリアルな問題について、入院中とは異なる視点でのメリットや問題点を明らかにし、医療者がどのような介入を行うことができるかを検討したい。
 連携・情報共有については、病院薬剤師と薬局薬剤師の間ではトレーシングレポートが普及しつつあるが、内容がCTCAEの評価のように、数字で表されているものが多いことへの解決策も模索できればと考える。最近急速に普及しているマイナンバーカードの保険証利用についての利点と問題点についても議論したい。
 全体ディスカッションでは、在宅医療の場や在宅を見据えた通院治療において、患者さんの視点での薬に関わるさまざまな職種の関わりについて意見交換できればと考えております。

座長
  • 岡本 禎晃
  • (公立大学法人敦賀市立看護大学 薬理学)
  • 桜井 なおみ
  • (一般社団法人CSRプロジェクト)
演者
  • 渡邊 清高
  • (帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科)
  • 徳垣 典子
  • (株式会社フロンティア フロンティア薬局 武庫川駅前店)
  • 加藤 麻衣
  • (西日本旅客鉄道株式会社大阪鉄道病院 薬剤部)

5月18日(土) 15:00~16:30 第2会場

腫瘍循環器領域を担う医療リソースの育成(日本腫瘍循環器学会共催企画)

がん治療薬の進歩に伴い新たな心血管毒性の頻度が増加しておりその腫瘍循環器領域のマネジメントが注目される中、2022年に欧州心臓病学会より腫瘍循環器診療ガイドラインが発表されました。ここではがん治療関連心機能障害を中心として腫瘍循環器領域全体にわたるがん治療に関する最新のエビデンスが示されました。さらに2023年3月には日本臨床腫瘍学会・日本腫瘍循環器学会によるOnco-Cardiologyガイドラインが発表され、現時点で本邦において確立されたエビデンスを中心にMindsに基づきがん診療に携わる医師、医療スタッフが参考にすべき対応法が明らかとなりました。その一方で本邦における腫瘍循環器診療マネジメントに関するエビデンスは未だ不十分であり、実際のがん診療において多くの施設ではエキスパートオピニオンを参考にしながら腫瘍循環器診療が施行されています。また、腫瘍循環器領域に精通した医師そして薬剤師・看護師などメディカルスタッフは決して十分とは言えない状況であり、腫瘍循環器診療に携わる医療スタッフの育成が急務となっています。本シンポジウムでは、腫瘍循環器診療の現場に積極的に携わっておられる代表的な施設において医師ならびにメディカルスタッフとの活動例をご発表いただきます。そして、腫瘍医、腫瘍循環器医のエキスパート・コメンテーターとともに、これから腫瘍循環器診療を始めようとされておられる医療機関やすでに行なっているが問題点をお持ちの施設などの多くの学会員にご参加いただき、がん診療をサポートするための腫瘍循環器診療におけるメディカルスタッフの育成やスタッフ間の連携について討論したいと思います。

座長
  • 宇和川 匡
  • (東京慈恵会医科大学 腫瘍センター)
  • 向井 幹夫
  • (大阪国際がんセンター 成人病ドック科)
演者
  • 田尻 和子
  • (国立がん研究センター東病院 循環器科)
  • 近藤 美紀
  • (国立がん研究センター東病院)
  • 北原 康行
  • (地方独立行政法人東京都立病院機構がん・感染症センター都立駒込病院 循環器内科)
  • 齊藤 瑠那
  • (地方独立行政法人東京都立病院機構がん・感染症センター都立駒込病院 薬剤科)
コメンテーター
  • 関根 郁夫
  • (筑波大学医学医療系 臨床腫瘍学)
  • 藤阪 保仁
  • (大阪医科薬科大学医学部 内科学講座 腫瘍内科学)

5月18日(土) 16:40~18:10 第2会場

Exercise Oncology―身体活動・運動が持つ可能性―

 がん患者に対する身体活動や運動は、これまで主に運動機能の維持のために推奨されてきたが、近年はそれでなく様々な面で有効であることがわかってきた。身体活動や運動の効果について、現時点で明らかになっていること、今後期待されること、などの知識を共有し、臨床場面で身体活動や運動に目を向けることができる医療者・運動指導者を増やすことを目的として本セッションを企画した。
 はじめに、がん患者における身体活動や運動について造詣が深いExercise Oncology ワーキンググループメンバーが様々なアウトカムの観点からのプレゼンテーションを行い、その後参加者を含めて意見交換を行う。

座長
  • 辻 哲也
  • (慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室)
  • 越智 英輔
  • (法政大学大学院 スポーツ健康学研究科)
演者
  • 森下 慎一郎
  • (福島県立医科大学保健科学部 理学療法学科)
  • 清水 陽一
  • (国立看護大学校)
  • 井上 順一朗
  • (神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センター リハビリテーション部門)
  • 高野 利実
  • (がん研究会有明病院 乳腺内科)

5月18日(土) 9:40~11:10 第5会場

がんサバイバーのニーズに基づいたサバイバーシップ関連情報の内容と発信はどうあるべきか

  

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近年、製薬会社などの営利企業、医療者、患者団体、研究者など、さまざまな立場の組織が、サバイバーに向けてがんサバイバーシップ関連情報を提供するケースが増えている。その媒体の形は、リアルやオンラインの研修会、インターネット上のサイト、印刷冊子などさまざまである。しかし、それらの情報の内容や提供形態が果たしてサバイバーのニーズに合致しているのか、十分に検証されているとは言い難い。
本セッションでは、がんサバイバーシップに関連して、サバイバー自身は何に関する情報(トピック)をどのような形(媒体や伝え方)で入手したいと考えているか、現状との乖離も含めて議論することにより、効果的な情報提供のあり方をさまざまな立場から議論する。
演者の立場からの講演内容をあげる。
1)がん対策立案のアドボケートの立場から
2)地方で活動する患者団体の立場から
3)研究者の立場から
4)患者主導ではない、ネット上の支援団体の立場から

座長
  • 高橋 都
  • (NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク)
  • 佐々木 治一郎
  • (北里大学医学部新世紀医療開発センター 横断的医療領域開発部門 臨床腫瘍学)
演者
  • 桜井 なおみ
  • (一般社団法人CSRプロジェクト/キャンサーソリューションズ株式会社)
  • 矢後 綾子
  • (認定NPO法人オレンジティ)
  • 土屋 雅子
  • (武蔵野大学 看護学研究所)
  • 可知 健太
  • (3Hメディソリューション株式会社/エムスリー株式会社)

5月18日(土) 15:00~16:30 第5会場

支持療法としてのアピアランスケアとそのエビデンス

「がん治療におけるアピアランスケアガイドライン2021年版」(日本癌サポーティブケア学会編)が発刊されて約3年が経過した。本ガイドラインは、「がん患者に対するアピアランスケアの手引き2016年版」(国立がん研究センター研究開発費がん患者の外見支援に関するガイドラインの構築に向けた研究班編)の改訂手続きに則ったものであり、同手引きから数えると8年が経過したことになる。
振り返って見ると、アピアランスケアを取り巻く社会状況は大きく変化した。「尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築」をうたった2018年の第三期がん対策推進基本計画に、初めて「アピアランス」の課題が取り上げられ、患者のQOL向上のために医療者が外見の問題を適切に支援できることが求められるようになった。本ガイドラインも、その一環として、研究助成を得て、患者への情報提供の質を向上させ,その後の多分野の連携推進やさらなる研究の発展を目指して作成された。また、2023年度の第4期がん対策推進基本計画では、医療従事者の研修に加えて、「拠点病院等を中心としたアピアランスケアに係る相談支援・情報提供体制の構築」も明記された。その情報提供の基礎として本ガイドラインが果たすべき役割は、さらに大きなものとなっている。
2023年10月の癌治療学会において「アピアランスケア」に関する久慈志保医師らの興味深い発表がなされた。癌治療学会員を対象とした調査(回答率4.8%)で、回答者807名の大半は医師(671名83.1%)であり、その専門は、外科が281名(41.9%)と最も多かった。そして、「治療に伴う外見の変化から生じる悩みや困りごとを軽減し、患者のQOLを向上させる医療者のアプローチ“アピアランスケア”」については、用語も内容も知らないと回答したのは19%に過ぎず、名前は知っている17%、内容まで知っているが64%であった。しかし、本ガイドラインの存在については、「名前も知っているし内容も知っている」は全体の35%に留まり、「ガイドライン自体を知らない」と回答した者が43%であった。
根拠に基づく医療を推進してゆくためにも、本ガイドラインの周知が喫緊の課題であるとともに、その内容を時機に応じて充実させてゆく必要がある。本シンポジウムでは、「がん治療におけるアピアランスケアガイドライン2021年版」の作成に携わった研究者に、作成時以降の各領域(化学療法、分子標的療法、放射線療法、日常整容)の新たな研究や課題を整理していただく。そして、新たな支持療法としてのアピアランスケアが目指す方向性について、全体で検討する。

座長
  • 野澤 桂子
  • (目白大学看護学部 看護学科)
  • 清水 千佳子
  • (国立国際医療研究センター病院)
演者
  • 下井 辰徳
  • (国立がん研究センター中央病院)
  • 吉川 周佐
  • (静岡県立静岡がんセンター 皮膚科)
  • 齋藤 アンネ優子
  • (順天堂大学医学部附属浦安病院)
  • 藤間 勝子
  • (国立がん研究センター中央病院 アピアランス支援センター)

5月19日(日) 9:00~10:30 第1会場

「支持療法・緩和治療領域研究ポリシー(各論:複合的介入(Complex Intervention))」の作成

 複合的介入(Complex Intervention)は、支持療法・緩和ケア、がん看護、リハビリテーション、心理療法など、様々な状況で研究が進められている。しかし、その介入手順やプロセスが適切に報告されていないなどの理由から、堅牢なエビデンスが存在するにも関わらず、その実践が臨床では行われていない、いわゆるエビデンスと実臨床の格差(Evidence Practice Gap)が指摘されている。この格差を是正する手法の確立が望まれる。
 The UK Medical Research Council(以下、MRC)は、2000 年に複合的介入(Complex Intervention)の開発と評価に関するフレームワークの初版を発表し、2006 年の改訂以来、様々な概念や理論、方法論的な進展が蓄積された。2021年の最新版のガイダンスでは、複合的介入の要点が端的にまとめられている一方で、初学者にとっては、領域特有の用語が並び、内容が抽象的で理解しづらい側面があるかもしれない。
 我々は、日本がんサポーティブケア学会と日本緩和医療学会の共同事業として、「支持療法・緩和治療領域の研究ポリシー(各論):複合的介入(Complex Intervention)」の整備に取り組んでいる。同ポリシーでは、MRCガイダンスを基盤としながら、研究者らが具体的に何をすればよいかまで提示する、分かりやすい研究ポリシーとなるよう執筆を進めている。本企画では、複合的介入研究の重要なポイントを押さえながら、同領域の研究業績を有する演者らが、その研究の進め方の実際について、概説する。

座長
  • 釆野 優
  • (京都大学)
演者
  • 結束 貴臣
  • (国際医療福祉大学成田病院 緩和医療科/国際医療福祉大学医学部大学院 消化器内科学/横浜市立大学医学部大学院 肝胆膵消化器病学教室)
  • 岸野 恵
  • (King's College London, Cicely Saunders Institute, UK)
  • 松本 禎久
  • (がん研究会有明病院 緩和治療科)
  • 内藤 立暁
  • (静岡県立静岡がんセンター 支持療法センター/呼吸器内科)
  • 石木 寛人
  • (国立がん研究センター中央病院)

5月19日(日) 9:30~11:00 第5会場

がんサバイバーが、がんじゃなかった時の私より、もっとよく生きる。そのためにがん支持医療はなにができるのか?

  

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2人に1人ががんに罹患する時代になってしまいましたが、がん治療の進歩により、全がん患者の5年生存率が60%を超え、がんという病気と共に生きる時代を迎えています。がん治療の進歩は、がんに対する直接的な治療、すなわち手術療法、放射線療法、がん薬物療法の進歩によるところが大きいのですが、苦痛緩和や有害事象の予防・治療を担う、がん緩和療法やがん支持療法の進歩もこの生存率の延長に大きく貢献しています。
がん支持療法は、主に積極的ながん治療時期(サバイバーシップで言うところの急性期)の患者のQOLの維持向上に非常に重要な役割を担います。加えてがん支持療法は、がん治療のアドヒアランスを向上させ、長期がんサバイバーの増加に大聞く貢献します。がん支持療法の一部の領域では診療ガイドラインが存在し、最近本学会からがん支持療法テキストブックも誕生しました。
一方で、急性期を乗り切ったがんサバイバーには、後遺症や晩期毒性など、さらにQOLが低下する状況が生じ得ます。急性期の支持療法が不十分であると延長期や安定期のサバイバーのQOL低下させることは自明の事実です。このプログラムではがん治療により生じうる後遺症や晩期合併症を理解し、その予防や対処法を含んだ支持療法の、がんサバイバーシップにおける必要性や重要性を学びます。

座長
  • 高橋 孝郎
  • (埼玉医科大学国際医療センター 支持医療科)
  • 桜井 なおみ
  • (一般社団法人CSRプロジェクト)
演者
  • 高橋 孝郎
  • (埼玉医科大学国際医療センター 支持医療科)
  • 柳 朝子
  • (国立がん研究センター中央病院 看護部)
  • 上野 尚雄
  • (国立がん研究センター中央病院 歯科)
  • 村上 朱里
  • (愛媛大学医学部附属病院 乳腺センター)
  • 野坂 生郷
  • (熊本大学病院 がんセンター 外来化学療法センター)

5月19日(日) 11:10~12:40 第6会場

Stroke Oncologyのアンメットメディカルニーズ

がんと脳卒中の合併症例には日常診療で頻繁に遭遇するが、両疾患合併例に対する明確な診療指針はなく、症例ごとに個人の経験に頼った判断を行っているのが現状である。診療科ごとに認識や考え方に「ギャップ」があり、診療科間、施設間、学会間など様々なレベルで議論を深め、この「ギャップ」を縮めること必要である。しかし、これまで国内のみならず国外においても、がんと脳卒中を多方面から集中的に議論する機会は少なかった。現在、日本がんサポーティブケア学会のStroke Oncologyワーキンググループと、日本脳卒中学会のStroke Oncologyに関するプロジェクトチームが連携した活動を開始している。本シンポジウムでは、がんと脳卒中合併例のアンメットメディカルニーズを共有し、問題解決に向けた議論を行いたい。

座長
  • 高野 利実
  • (がん研究会有明病院)
  • 平野 照之
  • (杏林大学医学部 脳卒中医学)
演者
  • 河野 浩之
  • (杏林大学医学部 脳卒中医学)
  • 津端 由佳里
  • (島根大学医学部附属病院 呼吸器・化学療法内科)
  • 長尾 毅彦
  • (日本医科大学武蔵小杉病院 脳神経内科)
  • 辻 哲也
  • (慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室)
  • 水上 拓郎
  • (NTT東日本関東病院)

委員会企画

5月18日(土) 9:40~11:10 第1会場

地域に根ざすがん支持医療の実現を行政とともに考える  

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【目的】
正しいがん支持医療を地域格差なく広く国民へ届けるためには、どの様な官学の連携が望まれるかについて、多方面からのディスカッションを通して明らかにする。
【概要】
がん対策推進基本計画において、正しいがん支持医療が地域間格差なく国民に広く還元されることが記されている。この実現にはがんに関わる医療者の教育・人材育成のみならず、国民側のがん支持医療に関する関心を高めることも重要である。日本がんサポーティブケア学会は発足から9年間で、がん支持医療に関わる各種ガイダンス・ガイドライン、多職種に対応したテキストブックを含む多くの刊行物の作成、関連学会との連携によるセミナーの企画・開催、メディアとの連携を通したがん支持医療の広報を行ってきた。しかしながら、がん支持医療が地域格差なく広く国民へ届けるという目標の達成には至っていない。そこで同じ目標を持つ、国・地方公共団体・日本がんサポーティブケア学会の連携はこの推進に重要な役割を果たすと考える。このシンポジウムではそれぞれの立場から発表をいただき、その後の議論を通してサステナブルな官学連携方法を具体化し、共通の目標の達成のための第一歩となることを願っている。

座長
  • 佐伯 俊昭
  • (埼玉医科大学国際医療センター病院長)
  • 田村 和夫
  • (特定非営利活動法人臨床血液・腫瘍研究会)
演者
  • 宇和川 匡
  • (東京慈恵会医科大学 腫瘍センター)
  • 西嶋 康浩
  • (厚生労働省がん・対策疾病対策課長)
  • 鈴木 久美子
  • (埼玉県保健医療部 疾病対策課)
  • 田村 光平
  • (東京都保健医療局医療政策部)
コメンテーター
  • 轟 浩美
  • (認定NPO法人 希望の会)

5月18日(土) 11:20~12:40 第6会場

症状から系統的に学ぶ~倦怠感(Cancer-related fatigue)~

 学術企画委員会では、これまでに「症状から系統的に学ぶ」をシリーズで行ってきました。取り上げた症状は、 「呼吸困難」、「腹部膨満感」、「非特異的かつ曖昧な症状から始まる免疫関連有害事象」「皮膚障害」です。これらに関するサポーティブケアについて系統的な理解ができるような企画をしてきました。第9回の本大会では、「倦怠感」に着目しました。倦怠感(Cancer-related fatigue)はがん患者やがんサバイバーが体験する症状です。倦怠感は、がんおよびがん治療に関連した身体的、心理的、または認知的な苦痛で持続的な主観的感覚として定義されます。出現時期や出現形態は多様で、治療中だけでなく、治療後も長期間持続する可能性も指摘されています。強度の倦怠感は、患者の生活の質を低下させますが、その原因や要因が多様なため複雑でマネジメントが難しい症状です。
 そこで、私たちは、倦怠感を多職種による演者から系統的に学び、患者支援に活用できるTIPSについて共有したいと考え、本企画を計画しました。また、倦怠感は主観的な症状であるため、患者のセルフマネジメントが重要です。どのようなアプローチをすれば、患者のマネジメント力を高めることができるのか、その有効な支援についても参加者の皆様と共有し、ディスカッションできる機会になればと思います。
【目的】
Cancer-related fatigueについて系統的に理解し、患者支援につなげることができる。
【到達目標】
1.倦怠感(CRF)のメカニズムや病態、治療を理解することができる。
2.倦怠感(CRF)のアセスメトや評価について理解することができる。
3.倦怠感(CRF)の軽減に向けたサポーティブケアのうち、薬物的介入のポイントを理解することができる。
4.倦怠感(CRF)の軽減に向けたサポーティブケアのうち、非薬物的介入、患者自身のセルフマネジメント方略について理解することができる。

座長
  • 東 光久
  • (奈良県総合医療センター)
  • 荒尾 晴惠
  • (大阪大学大学院医学系研究科)
演者
  • 大武 陽一
  • (たけお内科クリニック からだと心の診療所/水谷クリニック)
  • 奥山 徹
  • (名古屋市立大学医学部附属西部医療センター 精神科・緩和ケアセンター)
  • 井ノ口 岳洋
  • (日本医科大学付属病院 化学療法科)
  • 青木 美和
  • (大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻)

5月18日(土) 15:00~16:40 第6会場

がんとむくみをもっと知ろう!~うまく付き合うために~講義と実技

 がん治療後のリンパ浮腫の診断・治療ケアに携わっていらっしゃる、あるいは今後携わる可能性のある広範な参加者を対象に、少人数体験型プログラムを企画いたしました。
 むくみの対処法についてミニ講義後、3Dハンディスキャナーを用いた浮腫測定の実技の見学・体験と、むくみの改善方法である圧迫療法/運動療法の実技の見学・体験を行っていただく内容です。実技の体験には、指導者が直接アドバイスいたします。
 なお、本企画が、参加者の意見交換や交流の機会となることを期待いたします。

企画担当:リンパ浮腫部会
担当者:作田裕美、小川佳宏、新井直子、淡河恵津世、加藤るみ子、坂本大悟、清水夏生、高倉保幸、山本優一、吉澤いづみ

座長
  • 新井 直子
  • (帝京大学医療技術学部 看護学科)
演者
  • 小川 佳宏
  • (リムズ徳島クリニック)
  • 淡河 恵津世
  • (久留米大学 放射線腫瘍センター)
実技
  • 高倉 保幸
  • (埼玉医科大学保健医療学部 理学療法学科)
  • 清水 夏生
  • (埼玉医科大学保健医療学部 理学療法学科)
  • 吉澤 いづみ
  • (医療法人財団順和会山王病院)
指導者
  • 作田 裕美
  • (大阪公立大学大学院 看護学研究科)
  • 小川 佳宏
  • (リムズ徳島クリニック)
  • 新井 直子
  • (帝京大学医療技術学部 看護学科)
  • 淡河 恵津世
  • (久留米大学 放射線腫瘍センター)
  • 加藤 るみ子
  • (静岡県立静岡がんセンター)
  • 坂本 大悟
  • (東京慈恵会医科大学附属病院 リハビリテーション科)
  • 高倉 保幸
  • (埼玉医科大学保健医療学部 理学療法学科)
  • 清水 夏生
  • (埼玉医科大学保健医療学部 理学療法学科)
  • 山本 優一
  • (北福島医療センター)
  • 吉澤 いづみ
  • (医療法人財団順和会山王病院)

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5月19日(日) 9:00~10:30 第4会場

支持療法の処方提案におけるAIとの最適な付き合い方を考える

【目的】
医療における生成系AI活用を体験します。アカデミック・ディテーリングによる処方提案において、AIによる修飾を加えるとどのような提案になるのかを検討すること。

【到達目標】
1. アカデミック・ディテーリングによる処方提案を体得すること。
2. AIを利用する処方提案の有用性あるいは弱点・危険性などを体験すること。

【概要】
がん患者の支持療法は、多職種チーム医療により多彩な提案がなされます。新規薬剤情報委員会では、支持療法の薬剤選択について、アカデミック・ディテーリングを導入した公正かつ適正な処方提案スキルの獲得を目標に研修活動を進めてきました。近年、対話型人工知能(AI)が急速に社会に普及し、そのインパクトは非常に大きいものがあります。AIやChatGPTなど日々ニュースで聞かない日はありません。しかし、我々の活動する医療現場で、これらAIは活用できるのでしょうか?興味がありながら、一歩踏み出せないのではないでしょうか?
そこで本シンポジウムでは、アカデミック・ディテーリングによる支持療法の処方提案において、AIによる修飾を加えるとどのような提案になるのかを皆で検討します。症例提示に続く小グループ討論にAIオペレーターも参加してもらい、参加者の提案とAIの見解を含めた総合的なチーム提案を提示します。医療者自身がAIを利用する有用性あるいは、弱点を体験し、参加した皆さんが臨床分野でのAIの活用方法を見出す機会となることを期待しています。

【使用AI】
※参加者は、各AIにログインして、使用してみることをオススメします。いずれも無料です。

1. ChatGPT 3.5 https://chat.openai.com/
2. Google gemini https://gemini.google.com/app (google アカウントが必要です)
3. Microsoft copilot https://copilot.microsoft.com/ (無料でもできますが、マイクロソフトアカウントがあるとよい)
4. Claude3 https://www.anthropic.com/claude (google アカウントでログインできます)

【その他】
募集定員20名
当日、PC持参の方は、是非お持ちください。

座長
  • 佐藤 淳也
  • (湘南医療大学薬学部)
  • 藤阪 保仁
  • (大阪医科薬科大学医学部 内科学講座 腫瘍内科学)
ファシリテーター
  • 西森 久和
  • (広島市民病院 血液内科)
  • 清水 忠
  • (兵庫医科大学薬学部)
  • 尾関 理恵
  • (順天堂大学薬学部)
  • 田中 怜
  • (湘南医療大学薬学部 医療薬学科)
  • 宮嶋 篤志
  • (明治薬科大学)
  • 小茂田 昌代
  • (医療法人徳洲会千葉西総合病院薬剤部/東京理科大学薬学部)
  • 関根 郁夫
  • (筑波大学医学医療系 臨床腫瘍学)

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部会企画

5月18日(土) 17:20~18:30 第3会場

粘膜炎と漢方

 口腔粘膜炎は、がん治療において高頻度に発現する有害事象の一つです。症状が軽度で乗り切れることも多いものの、重症化すると摂食や会話を妨げ患者のQOLを悪化させる、潰瘍部からの全身感染症への波及リスクを増大させる、時にはがん薬物治療の用量制限の原因になるなど、様々な悪影響が報告されており、実際にそのような患者さんを多く拝見することも事実です。また軽度であったとしても、食べづらい、しゃべりづらいといった生活の支障は間違いなくありますし、自制内の苦痛であっても、感染や重症化の不安などを訴える患者さんもおられます。がん患者さんの治療と生活を支援する上で、やはり適切な口腔粘膜炎のマネジメントはとても重要だと考えます。

 昨今、そのような口腔粘膜炎のマネジメントの一つとして、漢方薬の使用が注目されています。特に半夏瀉心湯は「なぜ粘膜炎に効果があるのか」の理屈がさまざまな基礎研究の報告から明らかになってきていること、臨床研究でもポジティブな報告があることなどから、期待が持たれている薬剤の一つでもあります。しかし、口腔粘膜炎に対する漢方薬は保険の適応を得ているにも関わらず、実際に活用している施設は多くはなく、その認知、使用はいまだ十分とは言えない現状があります。

 本セッションでは「粘膜炎と漢方」について着目し、研究と臨床の両面から、口腔粘膜炎で困っているがん患者さんの治療と生活を支える有効な武器の一つとして漢方薬を上手に、安心して活用するための情報を整理してお伝えし、また皆様からの具体的な疑問に専門家が直接お答えする質疑の場、討論の場を設けたいと思います。このセッションが、口腔粘膜炎で苦慮しているがん患者さんへの支援の幅が広がる手助けになれば嬉しく思います。

座長
  • 元雄 良治
  • (福井県済生会病院 内科)
  • 上野 尚雄
  • (国立がん研究センター中央病院 歯科)
演者
  • 宮野 加奈子
  • (順天堂大学薬学部 薬物治療学研究室/東京慈恵会医科大学医学部 疼痛制御研究講座/国立がん研究センター中央病院 歯科)
  • 近藤 奈美
  • (埼玉医科大学国際医療センター)

5月18日(土) 11:20~12:30 第5会場

専門的がん疼痛治療連携・相談体制の構築

がん患者はがん治療中55%、進行がんでは66.4%、また亡くなる前1か月に約半数が痛みを有することが知られており、疼痛緩和は、QOL維持のために喫緊の課題である。オピオイドによるがん疼痛治療は、緩和ケア研修会等緩和ケアの基本教育の充実により、多くの医療者が実践し、広く普及しているが、一方で専門的がん疼痛治療である神経ブロックや放射線治療、IVR(画像下治療)、難治性がん疼痛に対するメサドン薬物療法は、医師の認識や経験、学習機会にばらつきがあり、均てん化されているとは言いがたい。このような課題解決のため、令和4年8月に発出されたがん診療連携拠点病院指定要件の中で、診療圏におけるがん疼痛患者に必要な専門的がん疼痛治療が届くような仕組みとしての情報提供、相談支援、連携体制が求められている。本プログラムでは、専門的がん疼痛治療に関わる各領域の4名の専門家より、各専門的がん疼痛治療に関する概説と地域連携の工夫・モデル、webを用いた専門的がん疼痛治療コンサルテーションシステムを紹介し、がん疼痛に関する地域連携の在り方を議論する。

座長
  • 馬渡 弘典
  • (横浜南共済病院 緩和支持療法科)
  • 三浦 智史
  • (国立がん研究センター東病院)
演者
  • 松本 禎久
  • (がん研究会有明病院 緩和治療科)
  • 西尾福 英之
  • (奈良県立医科大学 放射線診断・IVR学講座/奈良県立医科大学附属病院 緩和ケアセンター)
  • 髙橋 健夫
  • (埼玉医科大学総合医療センター 放射線腫瘍科)
  • 里見 絵理子
  • (国立がん研究センター中央病院 緩和医療科/順天堂大学大学院 緩和医療学)

5月19日(日) 14:10~15:30 第2会場

がん患者と安定期サバイバーの境目を考える  

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 1985年に米国でその産声を上げたがんサバイバーの概念は、次第に家族や介護者を含む幅広いものになりましたが、現在では主として積極的ながん治療を受けているがん経験者を「がん患者」、治療の有無によらず病状が安定しているあるいは治療が終了し治癒したと考えられるがん経験者を「がんサバイバー」と分けて呼ぶことが多くなりました。この呼び分け(分類)は、がんに罹患した人の状況やその人に対するがん治療の重みが、時間とともに変化することに起因しており、その人に必要とする支援が時間経過で変化することを意味しています。
 がんサバイバーが生きていくプロセス全体を「がんサバイバーシップ」と定義して、社会全体で「がんサバイバーシップ」を理解し、「がんサバイバー」を支えていく活動や研究が盛んになるにつれて、がんサバイバーが治療の有無によらず、様々な身体的、精神的、経済的、社会的、そして感情的な困難を抱えていることが明らかになってきました。がんサバイバーには急性期、延長期、安定期とよばれるフェーズ(季節)があり、それぞれのフェーズにおいて問題となる症状や負担が異なることが知られています。
 一方で、がん治療が進歩し、積極的ながん薬物療法を受けながらも長期生存する患者さんが増加した現在、根治不能と思われていた状況からまるで安定期サバイバーのごとく長期の日常生活を送るがん患者が増加しています。このようながんサバイバーと見なせるがん患者に対しては、がん患者でありながらもがんサバイバーシップの視点で支援や研究が必要です。ここでは、がん患者とがんサバイバーの両面を持ちうる治療継続中の長期生存がん患者に焦点をあて、サバイバーシップの視点での課題や支援の方向性を話し合います。

座長
  • 佐々木 治一郎
  • (北里大学医学部新世紀医療開発センター 横断的医療領域開発部門 臨床腫瘍学)
  • 桜井 なおみ
  • (一般社団法人CSRプロジェクト)
演者
  • 佐々木 治一郎
  • (北里大学医学部新世紀医療開発センター 横断的医療領域開発部門 臨床腫瘍学)
  • 田村 英人
  • (慢性骨髄性白血病患者・家族の会 いずみの会)
  • 西森 久和
  • (広島市民病院 血液内科)
  • 内山 浩美
  • (北海道肺がん患者と家族の会)
  • 池田 慧
  • (神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器内科)

5月19日(日) 9:30~10:30 第3会場

骨転移患者の非定型骨折に関する最新の知見

 人も動物である。動物は動ける生き物という特色があるので、人にとって運動機能は、動物としての側面を端的に表すものであり、これが失われると、動かずに生きねばならない植物の次元になってしまう。その意味では、動けない人は「植物レベルの人間」と言えるかも知れない。
 日本人の死因の第1位を1981年以降40年以上にわたり維持し続けている悪性新生物(以下、がんと略称)は、国民の約半数が生涯に一度は罹患すると言われており、その意味で国民病といっても良い。その発生部位である原発巣を見てみると、呼吸器、消化器、乳房、前立腺などの上皮性組織であり、原発性の運動器のがん(骨軟部悪性腫瘍)は少なく、レア・キャンサーと言われていることは周知の事実である。
 ところが、がん治療の成績が向上するにつれ、骨転移の問題が次第に顕在化してきた。裏を返せば、治療成績が思わしくなく、生存期間が短い段階では、骨転移が表面化して臨床課題となる以前に、天寿が尽きてしまう事例が多かったからである。したがって、骨転移の問題を検討するのは、がん治療の成績が向上して生存期間が延長され、その意味で、がん治療が高度化してきたからこそであると言える。

 さらに、骨転移では、痛みの発生に留まらず、骨折により運動に制限を加えられることが見られる。これは、不活発な生活を招致し、活動性の低下による廃用症候群に陥らざるを得ない。その際、深部静脈血栓症に端を発する肺梗塞や脳梗塞、長期臥床による沈下性肺炎、褥瘡などに見られる感染症の重度化による敗血症など、生命の危機に至ることも決して稀ではない。そうなると、原発巣の制御には成功しても、二次性の障害により生存が危うくなる事態に遭遇することになる。
 近年は、骨転移に対して徐痛効果や骨硬化を得られる放射線療法のみならず、骨修飾薬による骨転移に対する治療効果や予防効果が散見されるようになってきた。これは、骨転移という遠隔転移のある進行がん患者にとって朗報である。徐痛のみならず、骨折の回避というメリットをもたらしている。
 ところが、この骨転移に対する薬物療法には、思わぬ落とし穴のあることが、次第に分かってきた。まだ症例数が少ないので、診療ガイドラインなどには収載されていない段階であるが、非定型骨折という名称がつけられる程度には知られてきて来ている臨床課題である。
 そこで、今回は非定型骨折について日本の第一人者である王先生、国立がんセンターで骨軟部腫瘍を専門にしておられる小林先生、大学病院での骨転移カンファレンスのパイオニアである高木先生を演者にお迎えして、我が国における骨転移診療と非定型骨折の関係、その臨床的介入に具体例、リハビリテーションを踏まえた患者への対応について、骨と健康部会の企画として、シンポジウムを企画させて頂きました。
 本企画に御参加を頂きました諸先生に、明日からの臨床活動の一助にして頂けましたら幸いと存じます。

座長
  • 安部 能成
  • (穂波の郷クリニック)
演者
  • 王 耀東
  • (東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 整形外傷外科治療開発学講座)
  • 小林 英介
  • (国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科)
  • 髙木 辰哉
  • (順天堂大学 緩和医療学研究室・整形外科・リハビリテーション科)

5月19日(日) 10:40~12:40 第3会場

あなたもできる!!私たちが骨転移キャンサーボード(CB)開催のお手伝いをします!!

 骨転移キャンサーボード(骨転移CB)は、骨転移を有するがん患者の治療方針の決定を行う診療科・職種横断的カンファレンスとして位置づけられている。ただ、患者の病状によっては、治療方針のみならず、多職種協働によるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)も含めた包括的な話し合いが必要になる場合がある。オンラインでの情報共有や意見交換が一般化した現在、治療方針については均てん化しやすい環境が整備されている。骨転移CB開催は、骨転移診療ガイドライン(JSMO)で推奨され、2022年厚生労働省から発出された、がん拠点病院の指定要件の見直しにおいても必須とされており、その実装を進めていく必要がある。私たちは、過去5年間のJASCCにおいて、骨転移CBに関するセッションを行い、そのニーズが高い(JASCC 2023のアンケートによれば、18施設の回答中、新規開催希望は10施設、ブラッシュアップ希望6施設)ことを知った。また、私達骨転移と骨の健康部会は、2023年度地域医療振興協会・ファイザー公募型医学教育プロジェクト助成に、プロジェクト「骨転移診療のスペシャリストによる骨転移診療チーム・体制づくりのための教育システム」を応募し採択された。今後はこのプロジェクトに沿って、骨転移CBを全国に実装できるよう進めていく予定である。
 本セッションの目的は、骨転移CBの重要性・必要性を認識し、各施設での自主開催に向けてのノウハウを共有することである。そのために、参加者とワークショップ形式で話し合い、奈良県総合医療センターでの準備から開催に至るまでの過程を共有し、実例を用いて骨転移CBを開催することを予定している。
 本ワークショップを通じて、共通の課題を抱える全国のがん支持療法に携わる医療者と仲間になることを夢見ています。ぜひご参加ください!!

座長
  • 柴田 浩行
  • (秋田大学臨床腫瘍学講座)
  • 東 光久
  • (奈良県総合医療センター)
演者
  • 髙木 辰哉
  • (順天堂大学 緩和医療学研究室・整形外科・リハビリテーション科)
  • 佐藤 淳也
  • (湘南医療大学薬学部)
  • 永倉 久泰
  • (KKR札幌医療センター 放射線科)
  • 髙山 京子
  • (順天堂大学医療看護学部)
  • 安部 能成
  • (穂波の郷クリニック)
ファシリテーター
  • 佐藤 直
  • (総合南東北病院)
  • 景山 里香
  • (総合南東北病院)
  • 高野 稔
  • (総合南東北病院)
  • 円谷 公洋
  • (白河厚生総合病院)
  • 眞野 智生
  • (奈良県総合医療センター)
  • 増田 崇
  • (奈良県総合医療センター)
  • 長谷川 友美
  • (奈良県総合医療センター)

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5月19日(日) 11:10~12:40 第4会場

がんサバイバーシップをとりまく情報のアンメットニーズを解消する  

S

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 がんサバイバーシップに関する情報は、患者間の噂話からWEBにいたるまで玉石混交であり、患者・家族が自分の必要とする情報にたどりつき、信頼性の高い情報を見極めることは大変難しい。医療情報はまだしも、生活に関する情報はさらに少なく、リソースそのものが不足している。そこで本企画では、がんサバイバーシップにおける医療情報の格差に着目し、情報のアンメットニーズ解消に向けた取り組みについて検討する。
 情報のアンメットニーズという点では、医療者が患者・家族の情報ニーズを理解することも不可欠である。加えて、医療ケアチームの間でも互いの専門性に対する理解を深めていくことが求められる。本企画では、各演者からの話題提供をもとに患者・家族ならびに多職種における情報のアンメットニーズを抽出し、相互理解を深めて、明日からの診療、そしてがんサバイバーシップにおける生活支援に役立つプログラムとしたい。

座長
  • 山本 瀬奈
  • (大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻)
  • 久村 和穂
  • (金沢医科大学医学部 公衆衛生学)
演者
  • 桜井 なおみ
  • (一般社団法人CSRプロジェクト/キャンサーソリューションズ株式会社)
  • 押川 勝太郎
  • (宮崎善仁会病院 腫瘍内科)
  • 井沢 知子
  • (京都大学医学部附属病院)
  • 川崎 由華
  • (一般社団法人がんライフアドバイザー協会/大阪医科薬科大学 総合医学研究センター 医療統計室)

プログラム委員会企画

5月18日(土) 9:40~11:10 第3会場

薬剤開発における支持療法研究の実施

MASCCではEmerging Toxicities Study Groupが組織され、分子標的薬、抗体結合薬、免疫療法などの新薬開発や新規の放射線治療や手術技術などにおける急性/遅発性の毒性管理に焦点を当て、新しい支持療法の分野に対する取り組みが行われている。
近年、新薬の開発が加速化され、第1相試験としてexpansion cohortで従来の第2相試験のように特定の癌腫を複数コホートで集積し、安全性のみならず効果の判定も行われるようになった。そのため、新薬開発の現場において新規有害事象管理への早期からの対策がますます重要となっている。例えば、FGFR阻害剤における漿液性網膜剥離はよく知られる有害事象であるが、腫瘍内科で馴染みの少ない有害事象を初めて経験する場合の管理において躊躇する場面が想定される。特に薬剤開発においてはDLTの判定を行う必要があり、本件に対しては経験豊富な眼科医とのチーム医療が必要となる。他にも、爪甲の変化なども早めの管理をしておかないと認容性が保てない事などもあり、新規のクラスの薬剤を開発する場面での皮膚科医の介入なども想定される。他にも抗体結合薬は様々な薬剤が開発されているが、極めて高い臨床効果を示す一方で、薬剤性肺障害が懸念されたことや、嘔気の期間が長引くことなど、独自の対策を要する場合がある。
新薬開発には支持療法を得意とするメンバーによるチーム医療が重要であり、JASCCのように様々な支持療法チームが属する学術団体において、今後の新薬開発に対応可能な取り組みが重要と考えられる。現在の企業治験では、サブスタディとして特定の有害事象の管理などが附随研究として実施されることもある。支持療法の開発についても早期から積極的に介入することで企業にとってはメリットにつながると考えられるため、学会から支持療法開発の提案ができるようなインフラ整備が重要と考えられる。

座長
  • 古川 孝広
  • (がん研究会有明病院 先端医療開発科)
  • 内藤 陽一
  • (国立がん研究センター東病院 総合内科)
演者
  • 船坂 知華子
  • (国立がん研究センター東病院 先端医療科/国立がん研究センター東病院 腫瘍内科)
  • 三澤 園子
  • (千葉大学大学院医学研究院 脳神経内科学)
  • 西澤 綾
  • (都立駒込病院)
  • 鈴木 茂伸
  • (国立がん研究センター中央病院 眼腫瘍科)
  • 内藤 陽一
  • (国立がん研究センター東病院 総合内科)

5月18日(土) 9:40~11:10 第4会場

多職種チームならではの周術期のがんリハビリテーション

【目的】
チーム医療での周術期がんリハビリテーションを学ぶ。
【到達目標】
各施設において実践されている周術期リハビリテーションの工夫などについての意見交換に参加することで、参加者の施設におけるリハビリテーションの参考になることが期待される。
【概要】
現代の多様化・複雑化したがん医療においてチーム医療は不可欠であるが、そのやり方は施設の規模や人材によって様々であり、それぞれの施設の特徴を活かして行われている。このワークショップでは周術期のがんリハビリテーションにフォーカスして、各施設で行われているチーム医療の利点・今後への課題などを提示していただき、より理想的なチーム医療のあり方や直面している問題の解決方法を全参加者で共有できることができることができれば幸いである。

座長
  • 杉原 進介
  • (国立病院機構四国がんセンター リハビリテーション科)
  • 立松 典篤
  • (名古屋大学大学院医学系研究科 総合保健学専攻)
演者
  • 井上 順一朗
  • (神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センター リハビリテーション部門)
  • 原 尚志
  • (大阪府立病院機構大阪国際がんセンター/堺市立病院機構堺市立総合医療センター)
  • 藤井 美希
  • (大阪府立病院機構大阪国際がんセンター リハビリテーション科)
  • 輔野 佑理子
  • (東京慈恵会医科大学附属病院)
  • 杉原 進介
  • (国立病院機構四国がんセンター リハビリテーション科)

5月18日(土) 11:20~12:30 第4会場

周術期におけるリハビリテーションの最前線と課題

【目的】
周術期におけるリハビリテーションの最前線と課題についての理解を深める。
【到達目標】
周術期に様々なリハビリテーションが行われているが、最新の知見と問題点を把握し、今後の診療に役立てる。
【概要】
周術期に様々なリハビリテーションが行われています。支持療法として極めて重要なことは言うまでもありません。各施設で様々な取り組みが行われています。その最前線や現在の問題点を整理したいと思います。明日からに臨床に役立つ知識を身に付け、新たな取り組みを考える場にしたいと思います。

座長
  • 佐藤 弘
  • (埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科)
  • 辻 哲也
  • (慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室)
演者
  • 佐藤 弘
  • (埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科)
  • 辻 哲也
  • (慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室)
  • 谷口 英喜
  • (済生会横浜市東部病院 患者支援センター)
  • 牧浦 大祐
  • (神戸大学医学部附属病院 リハビリテーション部)
  • 藤井 美希
  • (大阪府立病院機構大阪国際がんセンター リハビリテーション科)
  • 髙津 淳
  • (愛知県がんセンター リハビリテーション部)
  • 小島 一宏
  • (慶應義塾大学病院 リハビリテーション科)

5月19日(日) 9:20~10:30 第2会場

支持療法におけるTrials in Progress~多職種による研究者主導研究〜

抗がん薬の副作用ならびに治療に伴う症状に対する支持療法の確立は、患者のQOLを向上するのみならず、治療の有効性と安全性の向上をもたらす。そこで本シンポジウムでは、支持療法の確立に向けて現在実施中の4つの研究者主導臨床研究について、研究を立案・実施している医師、薬剤師、看護師といった様々な職種の演者に背景、目的、デザイン等をTrials in Progressとして紹介いただく。また総合討論において、今後どのような副作用や症状に対する支持療法の確立が望まれているのかといった臨床ニーズ、薬剤の作用機序や処置の特性に基づいた支持療法としての応用可能性などについて、会場の参加者も含めて広く意見を求め、支持療法の確立に向けた新たな研究者主導臨床研究の立案に繋がる機会となることを期待している。さらに各職種が中心となって、また多職種で協力しながら支持療法を確立していくことの重要性や意義についても確認したい。

座長
  • 朴 成和
  • (東京大学医科学研究所附属病院 腫瘍・総合内科)
  • 今村 知世
  • (昭和大学先端がん治療研究所)
演者
  • 酒井 瞳
  • (昭和大学先端がん治療研究所)
  • 飯村 洋平
  • (東京大学医科学研究所附属病院 薬剤部)
  • 岩嵜 優子
  • (静岡県立静岡がんセンター 化学療法・支持療法センター)
  • 貞廣 良一
  • (国立がん研究センター中央病院 精神腫瘍科)

教育シンポジウム

5月18日(土) 16:40~17:40 第1会場

放射線治療中に見られる倦怠感への対応:実臨床とエビデンス

放射線治療中に見られる倦怠感は、放射線照射に伴う宿酔やその他の有害事象の影響のみならず、放射線治療前に行った手術・化学療法の影響、精神的ストレス、通院の負担など多様な要因によって生じます。しかし、放射線治療中の倦怠感に対する治療やケアのエビデンスは不十分であり、臨床的に患者さんご自身の対処に依存している現状があります。そこで、本教育シンポジウムでは、看護師の立場から放射線治療前や治療中において、倦怠感のアセスメントや予防、ケアに関する施設での取り組みをご紹介いただき、理学療法士の立場から倦怠感に対する運動療法等の最新のエビデンスについて紹介いただきます。その後、総合討論では、座長の放射線治療医を交えて、放射線治療中の倦怠感に対する質の高いケアを提供するための多職種連携やエビデンスの生成についても考えていきたいと思います。放射線治療や倦怠感そのものにも興味をお持ちの方は是非いらしてください。

座長
  • 全田 貞幹
  • (国立がん研究センター東病院)
演者
  • 後藤 志保
  • (がん研究会有明病院 看護部)
  • 福島 卓矢
  • (関西医科大学 リハビリテーション学部)

5月19日(日) 9:30~11:00 第6会場

家でしっかり治療・療養する  

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 がん治療は一時的なものではなく、患者の日常生活に深く関わる長期的な過程です。近年では「Patient journey」という言葉で表現されることもありますが、その旅路は診断から治療、そして療養へと続く多岐にわたるものです。診断時には、多くの患者が治療後の生活について深く考えることはないかもしれません。しかし、想像よりも早くがん治療をした病院から退院し、自宅や別の病院へと移ることになると、「追い出された」と感じる人も少なくありません。
 日本の現状は、諸外国に比べて在院日数が長いものの、在宅医療リソースは整ってきています。しかしそれでも、患者が自身の治療プロセスを理解し、主体的に治療・療養場所を選択し、適切な医療を受けられるようにするためには、まだ多くの課題が残されています。具体的には、患者の意向を反映したアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の具体化、在宅療養へのスムーズな移行、そしてそれを支える医療・介護の連携強化が必要です。
 本プログラムでは、がん治療から緩和医療、在宅医療へと自然な移行ができるように、患者とACPのプロセスを行う実際を、在宅医、訪問看護師、調剤薬局薬剤師、ケアマネジャーから現在の課題を含めて話題提供いただきます。また、参加者の皆さまが翌日からの実践を変革するヒントを持ち帰れるよう、実際の事例も共有いたします。がん治療を受ける患者が、治療後も含めた生活の質を向上させるために、医療者、介護者、そして患者家族が一体となって取り組む必要性を、本プログラムを通じて考え、議論していきたいと思います。ぜひご参集ください。

座長
  • 太良 哲彦
  • (相良病院 腫瘍内科・緩和ケア科)
  • 鈴木 美穂
  • (慶應義塾大学 看護医療学部)
演者
  • 新城 拓也
  • (しんじょう医院/神戸市立医療センター中央市民病院)
  • 内田 一郎
  • (八丁堀ケアプランセンター)
  • 會田 一惠
  • (泉ライフ薬局)
  • 高田 雄貴
  • (ケアプロ在宅医療株式会社 ケアプロ訪問看護ステーション東京)

教育セッション

5月18日(土) 15:00~16:00 第4会場

皮膚障害対策から始まる多職種連携

 恐らく全国に先駆けて、演者は支持医療科という診療科の開設に携わり、腫瘍内科でもなく、緩和ケアでもない診療をしています。今回、支持医療科の日常を紹介し、体系的な学びが得られるよう準備いたします。
 最初に、支持医療を実現する上で最も大切なことは、主治医から支持医療科へ患者さんを繋ぐことです。この役割を担うのが看護師や薬剤師であり、多職種が連携することです。目標を実現するには副作用の重症度を適切に評価し、顔が見える関係の中で共感することです。診療開始以来、演者は院内・院外の薬剤師と連携し、処方提案を目指した研修会に取り組んでいます(昨年、本学会で最優秀演題賞を受賞したテーマです)。この地域連携に関して、その後をお話いたします。
 次に、外来診療で最も多い副作用についてお話いたします。最も多いのは爪のトラブルです。原因薬剤がタキサンの場合、患者さんは爪の変化を感じるだけではなく、指先のしびれに悩んでいる場合もあります。このため爪のケアを行いながらCIPNとの付き合い方を患者さんに紹介し、理学療法士と協働して、しびれのリハビリに取り組んでいます。薬物療法で留意することにも触れながら、CIPNに対する取り組みを紹介いたします。
 Oncodermatologyの課題として、抗がん薬の血管外漏出を予防することも大事なテーマです。現在、がん薬物療法を安全に行うことを目的に、より早期からCVポートを造設し、血管外漏出を防ぐことが求められています。今後、この課題に取り組み、患者の負担とリスクを軽減する上で、PICCを用いたCVポートの造設が選択肢の一つではないかと考えています。今回、演者の使用経験とともにPICC型のCVポートを紹介いたします。
 最後に、支持医療は、がん治療の副作用に対処する診療体系ですが、がんと非がんの境界領域を分け隔てなく診療することも求められます。そこで今回のセッションでは、皮膚疾患の考え方や非がんの皮膚疾患を学ぶ機会にもなればと存じます。一人でも多くの方が、皮膚×支持医療というニッチなセッションにご参加くださることを期待しております。

座長
  • 山﨑 直也
  • (国立がん研究センター中央病院)
演者
  • 平川 聡史
  • (聖隷浜松病院)

5月18日(土) 17:20~18:20 第5会場

がん患者における気持ちのつらさガイドライン

【目的】
がん患者における気持ちのつらさ(抑うつ、不安)に対して、エビデンスに基づいた様々な介入を解説する。
【到達目標】
・気持ちのつらさの評価と対応の原則について知る。
・すべての医療従事者がすべき対応と、精神心理の専門家により提供されうる介入のエビデンスについて知る。
・薬物療法、心理療法、チーム医療、家族・家族ケア、ピアサポートの概要を知る。
【概要】
日本がんサポーティブケア学会と日本サイコオンコロジー学会の共同企画である「がん患者における気持ちのつらさガイドライン」に基づき、がん患者における気持ちのつらさ(抑うつ、不安)の評価と対応の原則、エビデンスに基づいた様々な介入を解説する。特に、抗不安薬、抗うつ薬、心理療法、協働的ケア、がん診断早期からの緩和ケア、家族・介護者への介入、ピアサポート、再発恐怖への対応などを扱う。

座長
  • 奥山 徹
  • (名古屋市立大学医学部附属西部医療センター)
  • 佐藤 温
  • (弘前大学大学院医学研究科 腫瘍内科学講座)
演者
  • 藤澤 大介
  • (慶應義塾大学医学部 医療安全管理部/精神神経科)
  • 吉川 栄省
  • (日本医科大学 医療心理学教室)

5月19日(日) 10:40~11:40 第1会場

コミュニケーションスキルを磨いて、サポーティブケアの質を向上させよう  

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 人口の高齢化とがんの罹患率の増加、ならびに利用可能ながん治療選択肢の増加に伴い、患者さんと臨床家は複雑な治療方針の決定に迫られています。患者さんはそうした決定を臨床家やご家族に頼る場合もあります。患者さんの効果的な転帰を実現するためには、患者さん、医療従事者、ご家族間の円滑なコミュニケーションが重要です。円滑なコミュニケーションを行うためには、相手に「理解者」と認めてもらう必要があります。そこではコミュニケーションスキルを身に着けることが役立ちます。
 コミュニケーションを通して、患者さんの円滑な治療を制限するような因子、何に困っているのか、何に困りそうなのかをその都度拾い上げ、それを解決する手段や手順を提供していく必要があります。身体的苦痛だけではなく全人的苦痛に対処しなければならない場合もあります。がん治療の目標に合わせた治療方針決定の補助をしたり、家族への教育と対応を強化したりすることも重要です。
 がん薬物療法では、予測不可能で体調不調をきたす多岐にわたる副作用を引き起こす危険性があります。がん治療に伴う様々な症状・徴候、有害事象をいち早く患者さんから見つけ出すことが求められます。2014 年度の診療報酬改定で「がん患者指導管理料3」が新設されたことを契機に、病院薬剤師が外来患者さんの服薬管理に介入することの重要性が注目されてきました。患者さんとのコミュニケーションは、患者さんに対面した時から始まります。外来で化学療法を始める患者さんの多くは漫然とした化学療法への恐怖感や不安を抱えています。コミュニケーションを通して何が不安なのかを見出して薬学的視点から解決方法を見つけてあげることも重要です。また診察時に薬学的評価を医師へ提言することで、服薬アドヒアランスや薬物療法の完遂率が大きく向上することが期待されます。
 アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning: ACP)は、厚生労働省にて「人生の最終段階の医療・ケアについて本人が家族などや医療ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス」と定義されます。患者さんの意向が尊重されたケアが実践され、患者と家族の満足度が向上し、遺族の不安や抑うつが減少することが報告されています。ACPを進める上でもコミュニケーションが重要なことは言うまでもありません。
 今回の教育セッション3「コミュニケーションスキルを磨いて、サポーティブケアの質を向上させよう」を通して、聴講された医療者のコミュニケーションスキルがさらに向上して、患者さん、ご家族がさらに満足した治療が受けられるようになることを期待します。

座長
  • 篠﨑 勝則
  • (県立広島病院 臨床腫瘍科)
  • 辻 晃仁
  • (香川大学医学部 臨床腫瘍学)
演者
  • 白井 由紀
  • (京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 緩和ケア看護学分野)
  • 淺野 耕太
  • (京都第二赤十字病院 外来化学療法センター)
  • 小川 朝生
  • (国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科/国立がん研究センター 先端医療開発センター 精神腫瘍学開発分野)

Year in Review(オンデマンド配信 ※会場でご覧いただけるYear in Reviewもございます。)

優秀演題セッション

5月18日(土) 16:40~17:10 第5会場

座長
  • 山本 信之
  • (和歌山県立医科大学 呼吸器内科・腫瘍内科)
  • 市川 靖子
  • (帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科)

BP-1 消化器がん悪液質に対するアナモレリン塩酸塩の治療成績に関する多施設共同後方視的観察研究(HGCSG2201)-早期中止と関連する因子の探索的検討-

演者
  • 梶浦 新也
  • (富山大学附属病院 臨床腫瘍部)

BP-2 膵がんにおける Accelerated Starvation に関する検討

演者
  • 鈴木 秀隆
  • (国立がん研究センター先端医療開発センター バイオマーカー探索トランスレーショナルリサーチ分野/国立がん研究センター東病院 薬剤部)

BP-3 がん患者に対する困った配慮に関するPPIワークショップ

演者
  • 米澤 晴美
  • (NPO法人肺がん患者の会ワンステップ)

BP-4 がんサバイバーの自覚症状が労働能力に与える影響の検討

演者
  • 華井 明子
  • (理化学研究所 先端データサイエンスプロジェクト)

ポスターセッション

共催セミナー